目次
- はじめに
- 今回のご依頼内容
- なぜ大工リフォームで対応したのか
- 現場の状況:一番の心配はフェンスのぐらつき
- 柱の撤去で見えた腐食の実態
- 施工の流れ
- 「焼き加工」から「キシラデコール塗装」へ
- 仕上がりとお客様の声
- まとめ
はじめに
こんにちは!ダイクスマイル黒須です。
今回ご紹介するのは、竹垣フェンスのリフォーム事例です。庭や敷地まわりの目隠しとして長く愛されてきた竹垣は、見た目に風情がある反面、支える柱が傷むと一気に不安定になってしまいます。「最近フェンスがぐらぐらする」「柱の根元が黒ずんでいる」と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
今回のご依頼内容
ご依頼主は、以前にもリフォーム工事でお世話になったお客様です。
ご要望は、「竹垣の竹の部分はそのままの状態で、経年劣化した表情を残したい」というものでした。新品の竹に替えてしまうと、長い年月をかけて生まれた落ち着いた色合いや味わいが失われてしまいます。お客様はその風合いを気に入っておられたため、竹部分には手を加えず、傷んだ箇所だけを直す方針で進めることになりました。

なぜ大工リフォームで対応したのか
こうした竹垣フェンスは、本来は専門の竹職人さんに作ってもらうのが一般的です。しかし、以前お願いした職人さんの連絡先が分からなくなってしまい、さらに竹職人さん自体が少ないこともあって、直してくれるところがなかなか見つからなかったそうです。
そこで、これまでのご縁もあり、ダイクスマイルでできる範囲で対応させていただくことになりました。竹の編み込みや補修は専門外ですが、「柱の交換」と「土台づくり」であれば大工の得意分野です。竹垣の味わいを守りつつ、構造をしっかり直すという役割分担で取り組みました。
現場の状況
現地を確認して、まず一番の懸念材料に気づきました。それがフェンスのぐらつきです。
フェンスを支える左右2本の柱が、根元から腐食しているようでした。竹垣はそれなりに重量があるため、柱が弱ると重みを支えきれず、今にも倒れそうな状態です。風の強い日や台風の時期には、倒壊して周囲に被害を出してしまう恐れもあります。安全面から見ても、早めの対処が必要な状況でした。
柱の撤去で見えた腐食の実態
柱をスコップで掘り起こしながら引き抜こうとしたところ、柱はそのまま地中に埋め込まれていた状態でした。長年の風雨で傷んでいたのでしょう、引き抜く途中で柱が折れてしまいました。
取り出した根元部分は、土のように黒く変色してボロボロに朽ちており、手で崩れるほどでした。地面に直接埋まっている部分は、常に湿気を含んで乾きにくく、腐朽菌や虫の被害を受けやすい環境です。木材にとって、地中は非常に過酷な場所なのです。外から見ると立っているように見えても、見えない根元で傷みが進んでいる、というのは屋外の木製フェンスや門柱でよくあるケースです。

施工の流れ
ここからは具体的な作業内容をご紹介します。今回の方針は、**「同サイズの柱に交換し、柱を直接地中に埋めず、沓石(くついし)を土台にして差し込む」**というものです。
① 柱の寸法を測り、ホゾを刻む
竹垣のフェンス部分はそのまま活かすため、既存の寸法を正確に測り、新しい柱にフェンスを組み込むための**ホゾ(溝や穴)**を刻んでいきます。ここがずれると竹垣がきれいに収まらないため、慎重に作業しました。

② 沓石を埋めるための穴を掘る
次に、沓石を埋設するための穴を地面に掘ります。左右の柱の分、全部で2か所です。
③ 沓石を設置し、水平と高さを揃える
掘った穴に沓石を置き、水平と高さを左右で揃えながら埋設していきます。左右の高さが違うとフェンスが傾いたり、竹垣に無理な力がかかったりするため、仕上がりを左右する大切な工程です。
④ キシラデコールで柱を丁寧に塗装
新しい柱には、キシラデコールを塗装しました。防腐・防カビ・防虫の効果を高めるための木材保護塗料です。今回は乾きやすい水性タイプを選び、作業効率も上げています。一度塗って終わりではなく、木口や角まで丁寧に塗ることで、雨や湿気に強い柱に仕上げています。
⑤ 柱の最上部を斜めにカット

細かなことですが、柱の最上部は斜めにカットしました。柱の上端は雨水が溜まりやすく、実は傷みやすい部分です。斜めにして水はけを良くしておくことで、水が溜まらず、長持ちにつながります。
⑥ 沓石に柱を差し込み、フェンスを組み立てる

最後に、埋設した沓石に柱を差し込み、竹垣フェンスを組み立てて完成です。
焼き加工からキシラデコール塗装へ
リフォーム前の柱には、表面を焦がす焼き加工が施されていました。焼き加工は炭化した表面が水や虫を防ぐと言われ、独特の風合いも出る伝統的な方法です。
ただ、今回は耐久性を重視してキシラデコール塗装を採用させていただきました。色は、リフォーム前と同じような雰囲気になるようブラックを選んでいます。写真だと分かりにくいのですが、木目がうっすら透けて見え、塗りつぶした感じにならず、いい雰囲気に仕上がったと思います。

仕上がりとお客様の声
完成した竹垣フェンスは、古い竹の落ち着いた表情はそのままに、黒い柱が全体を引き締める仕上がりになりました。
何より変わったのが安定感です。土台に沓石を埋設し、そこに柱を差し込む構造にしたことで、以前よりもしっかりと立つようになりました。さらに、柱が直接地中に埋まらないため、湿気による腐食やカビへの耐久性も大きく向上しています。
お客様からは、**「しばらくぐらつきなどの不安に悩まされることはないね!」**と大変喜んでいただけました。

まとめ
今回の事例のポイントをまとめます。
- 竹垣の竹部分は残し、経年の味わいを活かした
- 腐食した柱を同サイズの新しい柱に交換した
- 柱を直接地中に埋めず、沓石を土台にして差し込む構造にした
- キシラデコール塗装と斜めカットで、柱の耐久性を高めた
竹垣フェンスは竹職人さんの技術が活きる仕事ですが、柱の交換や土台づくりのような部分は、大工リフォームでも対応できます。「職人さんが見つからない」「ぐらつきが心配」「古い竹垣の味わいを残したい」といったお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。



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